■ 主なMVSユーティリティ一覧
MVSに導入されているユーティリティプログラムの基本中の基本をご紹介します。
- IEFBR14
何もせずリターンコード”0”を返すプログラムです。データセットのアロケートやデータセットのカタログ操作に使用します。
PGM名 IEFBR14 必要なDD名 必須DDなし
-サンプルJCL-
//STEP EXEC PGM=IEFBR14 //ALLOC DD DSN=TEST.DATA, // DISP=(,CATLG),UNIT=SYSDA, // SPACE=(TRK,(1,1),RLSE), // DCB=(RECFM=FB,LRECL=80,BLKSIZE=24000)
上記の例は、80バイト固定長さのファイルをアロケートする例です。
- IEBCOMPR
データセットの比較をするプログラムです。
PGM名 IEBCOMPR 必要なDD名 SYSPRINT … 実行ログ SYSIN … 実行パラメータ SYSUT1 … 比較元データセット SYSUT2 … 比較先データセット
-サンプルJCL-
//STEP EXEC PGM=IEBCOMPR //SYSPRINT DD SYSOUT=* //SYSUT1 DD DSN=TEST.OLD,DISP=SHR //SYSUT2 DD DSN=TEST.NEW,DISP=SHR //SYSIN DD DUMMY
上記の例は、TEST.OLDとTEST.NEWを比較します。
- IEBCOPY
区分データセットのコピーや区分データセットのメンバーのコピーをするプログラムです。
PGM名 IEBCOPY 必要なDD名 SYSPRINT … 実行ログ SYSIN … 実行パラメータ 任意DD名 … 入力区分データセット 任意DD名 … 出力区分データセット
-サンプルJCL-
//STEP EXEC PGM=IEBCOPY //SYSPRINT DD SYSOUT=* //IN1 DD DSN=INLIB,DISP=SHR //OUT1 DD DSN=OUTLIB,DISP=SHR //SYSIN DD * COPY INDD=((IN1,R)),OUTDD=OT1 SELECT MEMBER=((AAA001,BBB001))
上記の例は、INLIBのAAA001をOUTLIBにBBB001という名前でメンバーコピーする例です。
- IEBGENER/ICEGENER
順次データセットのレコードのコピーや区分データセットからのメンバーのコピーをするプログラムです。
PGM名 IEBGENERまたはICEGENER 必要なDD名 SYSPRINT … 実行ログ SYSIN … 実行パラメータ SYSUT1 … 入力データセット SYSUT2 … 出力データセット
-サンプルJCL-
//STEP EXEC PGM=ICEGENER //SYSPRINT DD SYSOUT=* //SYSUT1 DD DSN=INFILE,DISP=SHR //SYSUT2 DD DSN=OUTFILE,DISP=(NEW,KEEP),… //SYSIN DD DUMMY
上記の例は、単純にINFILEをOUTFILEにコピーする例です。
- IEHLIST
データセットの情報をレポートしてくれるプログラムです。
PGM名 IEHLIST 必要なDD名 SYSPRINT … 実行ログ SYSIN … 実行パラメータ 任意DD名 … 情報を出力するデータセット
-サンプルJCL-
//STEP EXEC PGM=IEHLIST //SYSPRINT DD SYSOUT=* //DD1 DD UNIT=DISK,VOL=SER=MYVOL,DISP=SHR //SYSIN DD * LISTVTOC,VOL=DISK=MYVOL
上記の例は、MYVOLに存在するデータセット一覧を出力する例です。
- IEHMOVE
データセットを移動するプログラムです。
PGM名 IEHMOVE 必要なDD名 SYSPRINT … 実行ログ SYSIN … 実行パラメータ SYSUT1 … ワークボリューム 任意DD名 … 移動元ボリューム 任意DD名 … 移動先ボリューム
-サンプルJCL-
//STEP EXEC PGM=IEHMOVE //SYSPRINT DD SYSOUT=* //SYSUT1 DD UNIT=DISK,VOL=SER=WKVOL,DISP=SHR //DD1 DD UNIT=DISK,VOL=SER=MYVOL1,DISP=SHR //DD2 DD UNIT=DISK,VOL=SER=MYVOL2,DISP=SHR //SYSIN DD * MOVE DSNAME=MYFILE.TEST.FILE,FROM=DISK=MYVOL1,TO=DISK=MYVOL2
上記の例は、MYVOL1に存在するMYFILE.TEST.FILEをMYVOL2へ移動する例です。
- IEHPROGM
データセットの編成を変更したり、データセットの削除、リネーム、カタログ変更、ボリュームの変更などをするプログラムです。
PGM名 IEHPROGM 必要なDD名 SYSPRINT … 実行ログ SYSIN … 実行パラメータ 任意DD名 … 操作するデータセットが存在するボリューム
-サンプルJCL-
//STEP EXEC PGM=IEHPROGM //SYSPRINT DD SYSOUT=* //DD1 DD UNIT=SYSDA,VOL=SER=TESTVOL,DISP=SHR //SYSIN DD * SCRATCH DSNAME=TESTFILE,VOL=SYSDA=TESTVOL
上記の例は、TESTFILEを削除する例です。
- IDCAMS
IDCAMSはVSAMデータセットの定義や削除や印刷等のいろいろな機能を提供します。 また、順次データセットの定義や削除や、VSAMデータセットから順次データセットへのコンバート(またはその逆)をすることもできます。
PGM名 IDCAMS 必要なDD名 SYSPRINT … 実行ログ SYSIN … 実行パラメータ
-サンプルJCL-
//STEP EXEC PGM=IDCAMS //SYSPRINT DD SYSOUT=* //SYSIN DD * DELETE TEST.FILE PURGE NONVSAM
上記の例は、カタログされたTEST.FILEを削除する例です。
- DFSORT
DFSORTはデータ機能分類プログラムです。一般的な分類・組合わせの機能の他に、データのコンバートや抽出・振分け、など、多くの機能が備わっています。
PGM名 SORT 必要なDD名 SYSPRINT … 実行ログ SYSIN … 実行パラメータ SORTIN … 入力データセット SORTOUT … 出力データセット SORTWKnn … 分類のための中間記憶域データ・セット。
nnは通常01~03。
-サンプルJCL-
//STEP EXEC PGM=SORT //SYSPRINT DD SYSOUT=* //SORTIN DD DSN=INFILE,DISP=SHR //SORTOUT DD DSN=OUTFILE,DISP=(NEW,KEEP),… //SORTWK01 DD UNIT=SYSDA,SPACE=(CYL,10) //SORTWK02 DD UNIT=SYSDA,SPACE=(CYL,10) //SORTWK03 DD UNIT=SYSDA,SPACE=(CYL,10) //SYSIN DD * SORT FIELDS=(1,20,BI,A,40,1,CH,D)
上記の例は、1バイト目から20桁の昇順、かつ、40バイト目から1桁の降順で並び替える例です。